口腔ケアの大切さについて
先月のブログでは口内フローラについてのお話でした。その中で口腔内を清潔に保つというお話をいたしました。清潔に保つための口腔ケアのお話を今月はしたいと思います。
お口の中の細菌は体内で一番多いといわれています。ほおっておくとむし歯や歯周病、口臭や口内炎の原因にもなります。しかし、口腔ケアで細菌数を減らすことは可能です。
口腔ケアとはお口の中を清潔に保つことで、口腔内だけでなく身体全体の健康を保つケアのことです。
そして、口腔ケアには感染症の予防につながるというメリットにつながります。
口腔内を様々な細菌が住みつき、汚れたままの状態で放置しているとむし歯や歯周病の原因となる菌が増殖してプラーク(歯垢しこう)となります。このプラークには、気管支炎や肺炎などの発症や重症化にかかわる細菌も含まれています。そのため最近では、入院前に口腔ケアを勧めている病院がほとんどです。当院にもそのようにおっしゃってご予約いただく患者さまがいらっしゃいます。
これらの細菌は酵素を出してタンパク質を破壊する作用があるため、口や喉の粘膜が荒れてしまいます。すると、インフルエンザや風邪のウィルスが荒れている粘膜にくっつきやすくなり、そこからウィルスが体内に入り込み感染症を引き起こすリスクが高まります。つまり、お口の中を不潔な状態で放置しておくとインフルエンザの発症や重症化を招きやすくなるというわけです。
そこで、適切な口腔ケアが必要となります。
口腔ケアには2種類あります。
1つ目は「セルフケア」です。
歯ブラシやフロス、歯間ブラシなどを使ってご自身で口腔内を清潔に保つ様に清掃することや、栄養バランスのとれた食事をよく噛んで食べることや、規則正しい生活習慣をできるように努めることなどです。清潔な口腔内で、よく噛んで食事をすることで唾液が粘膜を潤すことが感染予防になります。当院では、患者さまお一人お一人に合った口腔ケアの方法、歯ブラシやフロス、歯間ブラシの選び方・使い方など、セルフケアのコツをアドバイスさせていただいております。お気軽にご質問ください。
2つ目は「プロフェッショナルケア」です。
歯科医師と歯科衛生士がおこなう専門的なケアです。その方のむし歯・歯周病などの口腔内の状態を確認しながら行っています。ご自分では取り去りにくい場所や取り去りにくい汚れ、歯と歯の間や奥歯の裏側などセルフケアで行き届きにくい部分はおまかせください。口腔内を健康な状態で保っていけるように検診とプロフェッショナルケアのクリーニングを定期的に行いましょう。当院では、定期的な専門ケアとアドバイス、歯石・細菌・汚れの除去、そしてフッ化物での予防に関する薬剤の紹介と正しい使い方の指導を行っています。
定期的に検診をうけることで、ご自分では気付かないことや見えなかった小さなお口の中の変化を確認することができ予防につながります。もしもむし歯が出来てしまっていても、早期治療が行えれば治療時間も短くてすみます。
セルフケアもプロフェッショナルケアもどちらも大切です。
ご自身に合ったそれぞれのケア方法を一緒に考えていきましょう。