口内フローラについて
人の腸に存在する細菌群を腸内フローラと呼んでいます。腸と同じようにお口の中にもたくさんの細菌がいて、それを口内フローラと呼んでいます。
お口の中には300~500種類の1000億個ほどの細菌が歯垢(プラーク)・唾液・舌苔などにすみついており、ウィルス等を口腔内に住まわせないようにして、身体への侵入を防いでくれています。しかし、お口の中にいるのは良い菌ばかりではなく、口腔内環境に悪影響を及ぼすむし歯菌や歯周病菌も存在します。腸内細菌と同じように善玉菌と悪玉菌がいます。それらはお口の中にいて、その理想的なバランスは善玉菌が9割・悪玉菌1割程度です。健康であればこの状態が保たれているのですが、身体の免疫力が落ちるとバランスが崩れ、むし歯菌や歯周病菌などの悪玉菌の勢力が優勢になり、歯ぐきの炎症や口臭などお口の中のトラブルを起こしやすくなります。また、口内環境だけではなく、体内にはいり込んで動脈硬化・肺炎・糖尿病などの重大な病気を引き起こすことがわかってきています。この口内フローラが全身の健康に影響を及ぼす因子の一つとされているのです。
お口の中の善玉菌をしっかり残しながら、むし歯菌や歯周病菌の悪玉菌を減らして、口内フローラのバランスを正常に保つことが全身の健康を守るうえで大切な事と言えるでしょう。
では、口内フローラをより良い状態に改善するためにはどのようにすればよいのでしょうか?
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毎日の歯磨きなどで口腔内を清潔にする
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自浄作用・抗菌作用があり、むし歯が出来にくいお口の中をアルカリ性に保つように有害な細菌の繁殖を抑える働きをする唾液の分泌を増やす(だ液腺マッサージや食事の時にはしっかりよく噛んで食べることも効果があります)
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有害な菌の発育を抑える力を持つプロバイオティクス製品を摂取する
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むし歯菌や歯周病菌など悪玉菌の数や種類を調べて除菌する
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定期的に歯垢(プラーク)や歯石の除去、フッ素塗布などの専門的なケアを受ける
など、色々な方法があります。
口内フローラをより良い状態に保ち、お口や身体の健康を維持するためにも、ご自分に合った方法を見つけるお手伝いをいたします。お気軽に当院スタッフにご相談、お訊ねください。