どうしてむし歯ができるのか?

どうしてむし歯はできるの?

歯をみがいているのにどうしてむし歯になってしまうのでしょうか?

人によっては、あまりみがいていないのに「むし歯は一本もないよ」と、いう人もいます。

では、むし歯になりやすい人となりにくい人との違いは何でしょうか?

むし歯になりやすい人に訊ねてみると、「私は歯が弱いから」と、おっしゃいます。もちろん歯の質もむし歯のなりやすさの一つですが、他にもむし歯になりやすい条件があるので今回はそれをお話していきたいと思います。

 

まずはむし歯ができる流れから入っていきましょう。

 

お口の中には、たくさんの菌が存在します。その中でむし歯菌の代表であるミュータンス連鎖球菌は、食事のときの糖分を菌の体内に取り込み、菌から酸を出します。この酸が歯を溶かし続けることを脱灰(だっかい)と言います。この脱灰が続くと歯はむし歯になってしまいます。しかし、お口の中には『唾液』という優れた強い味方がいます。唾液はむし歯菌によって作りだされた酸を中和し、脱灰された歯を修復する役割があります。これを再石灰化(さいせっかいか)といいます。この再石灰化と脱灰のバランスで再石灰化が優位になっているお口はむし歯ができにくい状態です。しかし、何らかの原因でこのバランスが脱灰に傾いたときに歯はむし歯になってしまうのです。

 

直接的要因

1・歯の質が弱い
歯は体の中で一番硬い場所ともいわれていますが、歯の質が弱い人はむし歯菌が出す酸に歯が溶かされてむし歯になりやすい状態です。むし歯になりにくい強い歯を作るには、フッ素を歯に取り込むことが効果的です。
当院でもフッ素塗布を行っていますのでご相談ください。

 

2・むし歯菌の数が多い
人それぞれむし歯菌の数は違います。むし歯菌の代表であるミュータンス菌は生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中にはいません。では、いつ、どこからやってくるのでしょうか?それは、赤ちゃんを一番お世話してくれる人から感染しています。ですから、親からの感染率が多いといわれています。もともとお口の中にむし歯菌のいない赤ちゃんに、親などが使ったお箸やスプーンで一緒に食べさせることで感染する場合が多いのです。ここで、むし歯菌少ない人からの感染だと、赤ちゃんのむし歯菌の所有数は少なく、むし歯になりにくいようです。
むし歯菌は目には見えません。だから多い少ないがわかる唾液検査を当院で行っております。

 

3・唾液の量と質
唾液の量が多いほど、むし歯菌が出した酸を中和しやすくしてくれます。
また、唾液の質には、細菌の繁殖を抑えてくれる抗菌作用と、むし歯菌が出す酸によって脱灰の状態から元の歯の状態に戻す再石灰化するチカラの働きの緩衝作用があります。この唾液の量と質には個人差があり、人によっては緩衝作用が弱い場合があります。これも唾液検査で調べます。

 

4・食餌性基質
ミュータンス菌などのむし歯菌がエネルギー源として利用する糖

 

背景要因
1・歯磨きがうまくできていない
2・食事や間食の内容や取り方(だらだら食べをしているなど)

 

今回はむし歯になりやすい原因をいくつかお話しました。

自分や家族に当てはまりそうな項目はいくつあったでしょうか?

お口の中は十人十色!むし歯になる原因も人それぞれです。その原因を知ることにより、自分自身に合った最適なむし歯予防をすることができるのです。

当院ではむし歯予防のために、むし歯のなりやすさを調べる唾液検査を行っています。

唾液検査でむし歯の原因菌のミュータンス菌、むし歯を進行させるラクトバチルス菌、唾液量、中和するチカラの唾液緩衝能を調べます。そして、これらの検査結果から、ご自身のむし歯のなりやすさ=むし歯のリスクを評価して、その患者様に合った予防方法をご提案いたします。

先にお口の中を調べてから予防をしていきません?

唾液検査やむし歯予防に興味のある方は、ぜひスタッフまでお気軽にお声をかけてくださいね。

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